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第10回避難者訴訟口頭弁論期日のご報告


原告本人尋問が延期!

<4月15日 避難者訴訟の第・回弁論期日が開かれました。>

                             2015年4月15日

弁護団幹事長 米 倉  勉

この日の裁判は、3人の原告本人尋問が実施される予定でした。ところが期日の直前(4月10日)になって、裁判所は予定していた本人尋問を取りやめること(先送り)を決めて、伝えてきました。

急遽、裁判所の提案で実施された進行協議(4月13日・電話会議)と、15日の法廷で裁判長が説明した「取りやめ」の理由は、原告が期日間に提出した準備書面(主張)の内容について、「まだ議論が収束していない」というものでした。これは、「準備書面46及び50」(資料のページ参照)の内容を指していて、中でも重要な主張は、避難指示解除後における「帰還を拒否する権利」、逆に帰還を選んだ原告の「故郷の変質・変容」という被害についての慰謝料請求でした。さらには、避難指示が解除され、「相当期間」が経過しても帰還したくない原告への、「避難慰謝料」支払い打ち切りの不当性という問題もあります。

こうした主張に対して、被告は強く反応し、「この後に及んで新たな主張が出た」などと批判してきました。裁判所も、これらについて議論が尽くされていないから、原告本人尋問を行うには時期尚早だと言って、追従したわけです。

しかし、この反応は異常です。避難指示が解除された後の事態や損害の主張など、提訴の段階で出来るはずがありません。先のことは判らなかったし、誰もが「帰りたい」という想いでいたのです。それが、事故後4年を経過した今、やっとそうした事態を想定して、考えをまとめ、あるいは法的な主張の形にすることが出来たのです。弁護団としても、いつかは必要な主張であると想定していた争点でしたが、この段階で、ついに準備書面を提出したという思いです。むしろ、原告本人尋問の前に提出できて良かったと考えています。

この主張に被告や裁判所が過剰反応するのは、これが、政府の「帰還政策」に抵触するものだからです。避難指示を順次解除し、「解除したらもう被害はない。賠償打ち切り。」という酷い政策が頓挫しかねないから、慌てるのです。

結局、今後の進行は、帰還困難区域の原告から順次行い、その間に上記の「議論」を尽くす、ということで進行しています。そのための進行協議期日が5月12日に実施され、そこで6月10日の裁判の予定が決まります。今度こそ、原告本人尋問が実施できるよう、最善を尽くします。

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