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訴訟など

訴訟など

いわき市民訴訟 ~訴訟の目的・概要

~低線量汚染地域及び収束に程遠い福島第一原子力発電所近くで日常生活を余儀なくされていることへの責任と継続的被害を認めらさせるための訴訟~

 

  1.  いわき市は「自主避難地域」などと呼ばれています。しかし、いわき市民にとって、あの初期の大混乱の中での避難が「自主」などと言えるのでしょうか。あの時、いわき市民の実に半数から7割が避難を選択したのです。迫りくる放射性物質の恐怖の中で、避難が可能な人はすべて避難を選択し、立場上逃げるに逃げられず、ずっと滞在せざるを得なかった人は、命への危険を感じていたのです。放射性物質は目に見えません。当時は、だれも放射線について十分な知識や情報を持っていませんでした。風が怖く、雨が怖く、外の空気を吸うことさえ怖かったのです。

  2.  東京電力からは、いわき市を含む自主避難地域の大人に対しては、第1回目の賠償として8万円が支払われました。この8万円の半分に相当する4万円のみが、大人に対する精神的慰謝料であるようです。子どもを守るため、妊婦を守るため、家族を守るために何もかも投げ打って選択した避難の慰謝料が4万円だけなのでしょうか。立場上逃げるに逃げられず、命に対する恐怖を感じながら、ずっと滞在せざるを得なかったことに対する精神的慰謝料がわずか4万円だけなのでしょうか。

  3.  私たち弁護団員は、今まで多くのいわき市民の方々の相談に応じてきました。皆さん、異口同音に、あの恐怖の中の避難や恐怖の中で屋内避難を余儀なくされたことだけを捉えても、東京電力が一方的に指定する精神的慰謝料ではあまりに低すぎるといいます。

  4.  いわき市民の多くは、様々な事情から、いつまでも避難生活を続けることは出来ず、いわき市に帰還しました。しかし、以前のような豊かな自然、自然とともに共存し、自然の恵みを享受できるような生活は無くなっていました。海、川などで遊んでいる人、釣りをしている人などほとんど見られなくなってしまいました。福島の野菜、果物、米、山菜、海産物などは、内部被曝を恐れながら食しなければならない対象になり下がってしまいました。幼い子供たちは、外遊びが制限され、ストレスを溜めているばかりか、体力的にも衰えが見られます。福島の子どもたちが太りすぎている、体力が低下しているという統計結果も報道されました。親達は、常に子供たちの健康に対する不安、差別されるのではないか、将来結婚できないのではないかとの恐れに苛まれています。

  5.  いわき市民は、別の土地で生活を送ろうとしても、現実問題として、なかなかできるものではありません。低線量被ばく問題に向き合いながら生活をしなければなりません。しかしながら、低線量被ばくの「安心神話」に騙されことを受け入れることも出来ません。日々、何気なく日常を送っているように見えても、決して心から「安心」などと思っている人はいません。愛する故郷にばら撒かれた放射性物質という目に見えない敵から、継続的な被害を受け続けているのです。このような継続的不法行為を無視し、賠償の打ち切りが許されて良いはずはないのです。

  6.  子どもには、外で思い切り遊び、健康に生まれ育つ権利があります。しかし、いわき市の子ども達は、多かれ少なかれ外遊びを制限され、山の幸や海の幸を享受することもできなくなっています。こうした子どもたちに対して、きちんとした補償と援助策を講ずるのが、私たち大人の務めではないでしょうか。

  7.  原発被害は、金銭賠償のみでは解決できません。恒久的な被害回復のための積極的な措置が必要です。私達の子孫、未来の子ども達に、自慢の「うつくしま福島」を残すため、産業、教育、生活、労働、福祉、交通などあらゆる面で、恒久的な被害回復措置を求め続けなければなりません。十分な金銭賠償とともに、「生活の質」を回復するための積極的政策的措置が行われていなければなりません。賠償と積極的な地域力の回復措置が、車の両輪のように機能しなければならないはずです。いわき市民訴訟は、こうした政策を国と社会に形成させることを目的として提訴にいたりました。

  8.  参加要領はこちら