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訴訟など

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避難者訴訟 ~訴訟の目的・概要

 裁判所での事件名:「福島原発避難者損害賠償請求事件」

 

~避難者訴訟の基本的な考え方[生活再建,再出発に必要な賠償を!]~

 

 福島第一原発事故被害にあい、避難せざるをえなかった皆さんは、一人ひとりが地域コミュニティから無理やりひきはがされ,人間同士の関係性を断ち切られて孤立し,従来の人間らしい生活とその基盤を根こそぎ奪われ,今後どこに定着して生活したらいいのかの見通しもつかないこと,すなわち全人格的被害を受けています。

 本件事故は公害です。被害者はなんの非もないのに、一方的に被害を受けている立場です。他方、加害企業は、こうした被害をもたらす行為で利潤をあげています。

 そのうえ,広範囲の地域において継続的かつ全面的・深刻な被害を引き起こしたものです。しかも,本件事故による被侵害法益は,生活を根こそぎ奪うという巨大なものであり、これまでの公害被害に類例を見ない巨大な規模のものとなっています。

 私たちは、従来の裁判例の考え方にとらわれることなく、被害者の生活再建,再出発を行なうために必要な賠償,原状回復が図られるべきであると考え、その内容の実現を求めて、原告団とともに裁判を提起しました。

 

~提訴までの経緯概略~

2011年

   3月11日   東京電力福島原発事故発生

  10月16日   「福島原発被害弁護団」結成

2012年

   3月 7日   東京電力に対する集団直接請求開始

            直接請求及び月1回のペースで東京電力との交渉を重ねる。

  11月14日   第一次避難者訴訟原告団の結成

  12月  3日    第一次訴訟提訴(福島地裁いわき支部)

2013年

   7月 1日   第二次避難者訴訟原告団の結成

   7月17日    第二次訴訟提訴(福島地裁いわき支部)

 

~訴訟の概要~

【第1次提訴】

原告:早川篤雄(72歳) 他39名(合計40名)

   ・18世帯

   ・年齢層:3歳から77歳まで

   ・ 福島原発事故当時,避難区域である双葉町,楢葉町,広野町,南相馬市に居住していた住民。

    現在も避難生活を強いられている。

被告:東京電力株式会社

 

請求額:合計金19億4367万3194円 (ただし、一部請求。訴訟経過によって変動していきます)

 

※ 原告の多くは,当弁護団を通じて東京電力に対する直接請求・集団交渉等を通じて,合意に至らなかった部分を請求している。

※ 世帯別でみると,数千万円の請求が中心。最高額は2億4016万8600円,最少額は1258万1726円。

 

【第2次提訴】

原告:國分富夫(68歳) 他180名

   ・64世帯

   ・年齢層:0歳から92歳まで

   ・福島原発事故当時,避難区域である双葉町,楢葉町,広野町,南相馬市に居住していた住民。

    現在も会津若松市のほか福島県内外において避難生活を強いられている。

被告:東京電力株式会社

請求額:合計金81億5116万8301円(ただし、一部請求。訴訟経過によって変動していきます)

 

【損害賠償請求の主な例】

 

①財物賠償:生活基盤としての価値を全面的に喪失したため、時価ではなく再取得価格を請求。

 [土地]

 住宅金融支援機構「平成23年度フラット35利用者調査報告」による土地付き注文住宅利用者の土地取得費の全国平均額である金13,688,000円を最低限の賠償額とした。

 [建物]

 土地と同様にフラット35の統計データに基づき,住宅建設費の全国平均値金22,380,000円を最低限の賠償 価格とした。

 [家財]

 損害保険算定機構の世帯主の年齢、家族人数に応じた全国平均データに基づく額

 

②避難に伴う慰謝料:避難生活が終了するまで,一人につき月額50万円

 

③ふるさとを喪失したことに対する慰謝料:一人につき金2000万円

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