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福島地方裁判所いわき支部による第1回現地検証が実施されました。

07/25/2016

現地検証が実施されました!

 

 7月22日(金)避難者訴訟において,福島地方裁判所いわき支部による第1回現地検証が実施されました。

 現地検証とは、裁判所が法廷を出て、対象となる現場に自らの足で訪問し、その被害状況を自らの目、耳、鼻などの五感で感じてその結果そのものを裁判の証拠とするという手続きです。

 原告で参加したのは、27名(弁護士20,原告7)です。被告東京電力側は弁護士4名と東電社員数名,裁判所は裁判長を含めた裁判官3名,書記官2名と裁判所職員数名が参加しました。

 現地検証を行った場所は、下記の①~⑨の場所です。

①いわき市,仮設住宅

②広野町,広野駅・商店街

③広野町,東町・西町

④楢葉町,第三仮置場

⑤楢葉町,特養ホーム「リリー園」老健施設「ときわ苑」

⑥楢葉町,天神岬公園「みるーる展望台」

⑦楢葉町,原告自宅跡地

⑧楢葉町,竜田駅及び商店街

⑨楢葉町,楢葉町立楢葉北小学校

 

 それぞれの当事者が自動車で検証のポイントに赴き、原告代理人弁護士や原告本人が裁判官に現地の状況を説明しました。9時30分の仮説住宅訪問から、16時30分の楢葉北小学校まで9カ所を1日で回るという充実した検証となりました。

 いわき市にある原告宗像政俊さんが居住する仮説住宅では、仮設住宅の外観を見たうえで,玄関から実際に住宅の中に入って内部の説明が行われました。裁判官たいは,収納もなく,アコーディオンカーテンで仕切られた狭い部屋,寒暖の激しくプライバシーの保たれない仮設住宅の厳しい暮らしぶりを間近で体感したと思われます。

 広野町では、広野駅、商店街、住宅街の検証が行われました。公道検証斗呼ばれており、裁判官が公道を歩き、町並みを実際に見て回りました。 広野商店街については、事故前の写真を示しながら、現在の町並みが建物解体により虫食いになっていること、広野町では子供たちがまだ戻っていないことや作業員宿舎が町中にできてしまっているという説明を行いました。

 楢葉町では、まずは前原第三仮置場を視察しました。7.6ヘクタールもの広大な土地にうず高く積まれたフレコンバッグ、行き交うトラックに裁判官は何を思ったでしょうか。この場所では,マスコミ5社が取材に訪れ,検証の様子の代表撮影が行われました。

 特養老人ホームリリー園では、福祉施設の現在の状況を説明しながら、福祉が十分でない町の復興の困難さを見てもらいました。

 その後、天神岬公園の「みるーる」展望台からは、楢葉町南部の町並みを一望してもらいました。美しかった田畑を占拠する一面の仮置場を見て、裁判所もふるさと変容の意味を感じたものと思います。早川団長からは、田畑がフレコンバッグに埋もれ、ツバメの姿、カエルの鳴き声が全く聞こえなくなったことが説明されました。楢葉の美しかった田畑を見ながらの説明には当事者みなが一心に聞き入っていました。

 楢葉町の原告渡辺幸生さんの自宅跡地の検証も行われました。この跡地にどのような家が経っていたのか、どのような思いで解体をしていったのかが渡邉弘子さんから説明されました。自宅を解体しながらも、この土地を手放す気になれないという想いを渡邉さんが涙ながらに説明したとき、法廷での尋問では得られない強い感銘を裁判官達に与えたように思います。

 竜田駅及びその周辺の検証では、町並みに人がいない、家に人が戻っていないことを明らかに感じたのではないかと思います。

 最後の楢葉北小学校。校舎には子どもはおらず、校庭には草が生え、原発関連事業者のプレハブ事務所が建てられていました。卒業アルバムに掲載された美しい桜と校舎、校庭でおこなわれたすずかけ祭りによる人の交わりは、本件事故によって、将来的には校舎の解体という結末を迎えるという説明がなされました。子どもの戻れない町は果たして元の町なのであろうか、そのような思いが裁判官にもよぎったのではないかと確信します。

 今までの裁判では、書類、資料などを提出し裁判所に読んでもらう「書証調べ」や原告本人や証人が裁判所の前で証言する「証人尋問」「当事者尋問」が行われてきましたが,この「現地検証」もれっきとした裁判の正式な証拠調べの手続きの一つです。

 弁護団も、裁判所にぜひ現地を見てほしいとの思いから,裁判初期の平成25年10月の段階で、検証手続きの申し立てを行ってきました。しかし,裁判所はまだ何を検証すべきかわからない,主張整理がそろってからなどと,いろんな理由をつけて決定を引き延ばしてきました。

 しかし、今まで裁判所に出した膨大な主張書面や、証人尋問で多くの原告が語ったふるさと喪失の被害を聞くにつれ、裁判所の心が動き始めました。そして,福島地方裁判所本庁で行われている原発裁判で検証が実施されたことや裁判官の異動があったことも加わり,今年4月になってから検証の採用に傾きだしました。弁護団は検証の準備に奔走し,検証の内容やスケジュールを用意して採用を求め,平成28年7月8日に検証手続きが正式採用されることとなりました。

急ピッチの準備作業となりましたが,原告のみなさんや町役場の方たちの惜しみない協力を得て,なんとか22日,成功裏のうちに検証手続きを行うことができました。何よりも,裁判所が現場に出て,被害の実情を肌で感じたこと極めて意義のあることです。この検証手続きが,裁判の大きな岐路となることを確信しています。

 避難者訴訟の検証はまだまだ続きます。9月30日には双葉町,浪江町,南相馬市小高区,11月10日には川俣町山木屋地区の検証を次々に実施していく予定です。また,南相馬訴訟でも検証が行われるよう働きかけています。今後も弁護団,原告団力を合わせて,被害回復,完全賠償を勝ち取るため努力していきたいと思います。

 

こちら☞検証記事(福島民報)

             検証記事(福島民友)

     検証記事(河北新報)

 

 

 

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