小綱木地区(ADR) 第2回口頭審理の報告

小綱木班 第2回口頭審理の報告
弁護士 笹山 尚人
小綱木班は、本日、原子力損害賠償紛争解決センター福島事務所県北支所において、第2回の口頭審理に臨みました。
10月7日に開かれた第1回口頭審理では、申立人2名から、被害の実状について述べてもらいました。
本日の第2回は、第1回に比べれば短時間で、連続して8名の申立人から話を聞く手続きを行いました。
8名の申立人の訴えた被害は様々です。
小綱木地区が避難地域に指定されるのではないかとの情報を得て、避難した人、家族離散状況で母子だけ避難した人、避難できなかった人。
地域の空間放射線量が強くて、生命、健康に不安を抱えながら生活を続けなければならない実情。
一見事故前と同様に、米や野菜を作っているものの、子どもたちにはその野菜は食べさせず、高齢者だけが田畑を荒らさないために野菜や米をつくって、自家消費している実情。
山には一切除染の手が及ばず、そこから放射線の影響が飛散してきたり、山の恵みとしてのタケノコやキノコからは多量の放射線が検出され、これらを得られなくなった実情。
しかし、全員に小綱木地区で生活を続けながら、このままでよいのか、もとの放射線を心配しなくても良かった事故前の地域を返して欲しいという切実な苦悩と要求が伝わってくる審理でした。
口頭審理は、以上の2回をもって一端切り上げ、次回は今後の主張立証の計画について原子力損害賠償紛争解決センターにて話し合いが行われることになりました。
次回は、12月2日(水)、午後4時からです。
以 上